エアフィルターの性能
補修効率
質量法(重量法)
主にプレフィルターの測定に使用する方法で、JIS B 9908-1991「換気用エアフィルタユニット」の形式3に規定されている試験措置の上流側にJIS Z 8901に規定する試験ダスト8種(関東ローム)を粉塵濃度30±10mg/m3で供給し、試験フィルタを通過した粉塵をフィルタに補修し、フィルタ前後の粉塵の質量の比で補修効率(%)を算出する方法。

比色法
主に中性能フィルタの測定に使用する方法で、JIS B 9908の形式2に規定する横形試験措置にJIS Z 8901に規定する試験ダスト11種を粉塵濃度3±2mg/m3で供給し、上流側粒子及び試験フィルタを通過した下流側粒子を測定用フィルタに補修してそれぞれの光透過率比で補修効率(%)を算出する方法。

計数法
HEPAフィルタの補修効率測定に使用する方法で、JIS Z 8901に規定する試験ダスト13種AでJIS B 9908の形式1に規定する試験措置を用いて光散乱計算法で測定し、補修効率(%)を算出する方法。
またクリーンルーム用エアフィルタについてはJIS B 9908「換気用エアフィルタユニット」で原子力用はJIS Z 4812「放射性エアロゾル用高性能フィルタ」で粒径基準の試験法が定められている。

圧力損失
圧力損失とは
フィルタに空気を流した時に、フィルタが抵抗になって圧力が降下します。
圧力損失とはフィルタに定格風量で使用した時の入口の圧力(上流側静圧)と出口(下流側静圧)の差の圧力です。
上流側静圧−下流側静圧=圧力損失
現在はpa(パスカル)という単位で表示します。従来はmmH2Oで表示しておりpaとmmH2Oの関係は1mmH2O=9.8pa。計測器は主に微差圧計(マノメーター)を使用します。

初期圧力損失と最終圧力損失
フィルタはそのもの自体が抵抗のようなもので、新品の状態でも圧力が降下します。
新品のフィルタに定格風量を流した時の圧力損失を「初期圧力損失」といいます。
そして使用していくと埃が詰まり、さらに抵抗になって圧力損失が上昇していきます。
各メーカーが定めた圧力損失の限界点の値を「最終圧力損失」といいます。

寿命
寿命とは
新品のフィルタを使用し、徐々に埃が詰まり圧力損失が上昇し初期圧力損失から最終圧力損失までに達するまでの期間を差します。ただし、初期圧力損失や最終圧力損失は定格風量を基に算出していますので、実際は新品のフィルタを使用した時の値を初期圧力損失、その値の2〜3倍を最終圧力損失とし、それを寿命と考えるのが妥当です。

しかし初期圧力損失がカタログに記載されている値を大きく上回っている場合は注意が必要です。
専門の業者に相談し、フィルタの規格自体を見直す必要があります。

ただし、初期圧力損失から最終圧力損失に達するまでの期間については使用環境に大きく影響される点や保障の問題にもつながりますので明確な回答は得られないでしょう。
弊社でも明確なお答えが出来ない内容になります。